ロストワックス鋳造後の真鍮とシルバー925のリングツリー

アクセサリーのロストワックス鋳造|真鍮・銀の原型から鋳造、仕上げ、量産まで

アクセサリーや金属パーツをオリジナルの形で製作するときに使われる方法の一つが、ロストワックス鋳造です。

指輪やペンダントトップのような立体的な形状、細かな模様を含むパーツなどを、原型をもとに複製できます。真鍮や銀などの素材で、1個の試作から量産まで進められる製造方法です。

一方で、形状が薄すぎる、細すぎる、寸法の条件が厳しいといった場合には注意が必要です。また、原型と鋳造後の製品は完全に同じ寸法ではなく、工程の中でわずかな収縮が生じます。

この記事では、アクセサリーのロストワックス鋳造について、対応できる原型や素材、製作工程、鋳造後の仕上げ、相談時に確認したい内容をご紹介します。

原型・ワックス・CADデータの段階からご相談いただけます
金属原型、樹脂原型、ワックス原型、CADデータのいずれからでもご相談いただけます。お客様が用意した原型やワックスの持ち込み、鋳造だけのご依頼、1個からの試作にも対応しています。

アクセサリーのロストワックス鋳造とは

ロストワックス鋳造は、ワックスで作った形を埋没材で覆い、加熱してワックスを取り除いた空間へ、溶かした金属を流し込む方法です。「ロストワックス」という名称は、加熱によってワックスがなくなる工程に由来します。

一つの原型からゴム型を作り、その型を使って複数のワックスを製作できるため、同じ形状を複製する量産にも利用できます。立体的な形状や曲面、細かな装飾を含むアクセサリーにも用いられています。

アクセサリーOEM全体の流れについては、アクセサリーOEMとは?企画・試作から量産まで製作の流れを解説もあわせてご覧ください。

主に扱う素材は真鍮とシルバー925

ロストワックス鋳造では、主に真鍮と銀に対応しています。現在、製作の中心となっているのは真鍮です。銀を使用する場合は、シルバー925での製作に対応しています。

真鍮はアクセサリーパーツ、キーホルダー、バッグチャームなど、さまざまな製品に使われています。鋳造後に磨きやメッキを加えることで、希望する色や質感へ仕上げることも可能です。

素材は、製品の用途、形状、希望する色、必要な強度、予算などを確認して選びます。材料や製造方法が決まっていない段階でも、作りたい製品の情報からご相談いただけます。

金属・樹脂・ワックス原型、CADデータから対応できます

製作を始める段階は、お客様によって異なります。完成した金属原型がある場合だけでなく、樹脂原型、ワックス原型、CADデータからでも進められます。

  • 金属原型を持ち込む
  • 樹脂で作った原型を持ち込む
  • 加工可能なワックス原型を持ち込む
  • CADデータから原型を製作する
  • 図面やスケッチをもとに原型から相談する

どの段階から始める場合でも、形状や寸法、量産予定数、希望する仕上げを確認し、その後の工程に適した方法を検討します。

アクセサリーの原型とロストワックス鋳造に使用するゴム型
原型の形状に合わせてゴム型を製作し、複製に使用します

原型からゴム型とワックスを作る

金属原型などから複数の製品を作る場合は、原型の形を写したゴム型を製作します。製品の形状や原型の材質に応じて、シリコンゴムや液状のゴムを使った型にも対応します。

完成したゴム型へワックスを流し込み、原型と同じ形状のワックスを作ります。必要な数量のワックスを用意したら、金属が流れる通路を考えながら一本の軸へ取り付け、ツリー状に組み立てます。

ゴム型を作らず、ワックス原型や鋳造に使用できる造形物から進める場合もあります。原型の状態や予定数量によって工程が変わるため、現物やデータを確認して方法を決めます。

CADデータや光造形から進める方法

CADデータがある場合は、データをもとに立体造形し、鋳造用の原型として使用する方法もあります。手作業では作りにくい形状や、左右対称、一定の寸法を必要とするデザインを検討するときの選択肢になります。

光造形機で出力したアクセサリー鋳造用のツリー
CADデータをもとに光造形機で出力した鋳造用のツリー

ただし、データ上で形を作れることと、実際に金属へ鋳造できることは同じではありません。厚み、細さ、金属の流れ、磨くための余裕なども考え、必要に応じて形状を調整します。

ロストワックス鋳造の主な工程

原型の状態や製品の仕様によって工程は変わりますが、ゴム型を使って量産する場合は、おおむね次のように進みます。

  1. 原型を確認する
    形状、寸法、表面、量産方法を確認します。
  2. ゴム型を製作する
    原型の形を写し取り、ワックスを複製するための型を作ります。
  3. ワックスを作り、ツリーを組む
    必要数のワックスを作り、金属が流れる経路を考えてツリー状に組みます。
  4. 埋没して焼成する
    ツリーを埋没材で固め、加熱して内部のワックスを取り除きます。
  5. 金属を溶かして鋳造する
    真鍮やシルバー925を溶かし、ワックスがなくなった空間へ流し込みます。鋳造は主に真空鋳造で行います。
  6. 湯口取りと磨きを行う
    鋳造した製品をツリーから切り離して湯口を取り、必要な状態まで表面を磨きます。
ロストワックス鋳造で真鍮や銀を溶かすために使用する溶解炉
鋳造する真鍮や銀を溶かすための溶解炉
アクセサリーのロストワックス鋳造に使用する真空鋳造機
ロストワックス鋳造に使用する真空鋳造機

鋳造だけの依頼と1個からの試作にも対応

原型製作から完成品までを一括して依頼する場合だけでなく、鋳造工程だけのご依頼にも対応しています。業界で「吹きのみ」と呼ばれる、用意された原型やワックスをもとに鋳造する内容もご相談いただけます。

数量は1個から対応可能です。新しい形状を量産する前に1個を試作し、形や大きさ、鋳造後の状態を確認してから必要数を製作することもできます。

ゴム型を使用する場合は型の製作費が必要になり、1個だけの試作と量産では適した進め方が異なることがあります。原型の状態と今後の予定数量を確認したうえで工程をご案内します。

鋳造後の湯口取り・磨きから完成品まで

鋳造直後の製品には、溶かした金属が通った湯口が付いています。製品をツリーから切り離した後、湯口を取り、表面を磨いて仕上げます。

ご希望に応じて、鋳造後の状態で納品することも、湯口取り、磨き、ロー付け、メッキ、組み立てまで進めることも可能です。パーツの製作だけでなく、使用するチェーンや金具を組み合わせ、完成品として仕上げるご相談にも対応しています。

鋳造後のメッキについては、アクセサリーのメッキ加工|主なメッキ色・仕上がりと依頼前に確認したいことで詳しくご紹介しています。

薄い・細い形状と寸法には注意が必要です

ロストワックス鋳造は複雑な形状にも対応しやすい方法ですが、すべての形をそのまま鋳造できるとは限りません。

極端に薄い部分や細い部分、金属が流れ込みにくい形状では、うまく鋳造できない可能性があります。細かな模様も、原型では見えていても、鋳造や磨きの工程を通すことで見え方が変わる場合があります。

また、鋳造では原型から製品になるまでに若干の収縮が生じます。厳密な寸法が必要な部品、別の部品と組み合わせる製品、石やパーツをはめ込む形状では、必要な寸法や許容範囲を事前に確認します。

対応できる厚みや細さ、寸法の調整方法は製品によって異なります。図面、CADデータ、原型、参考品などを確認したうえで判断します。

お見積り時にお知らせいただきたいこと

お見積りや加工可否を確認する際は、次の内容を分かる範囲でお知らせください。

  1. 製作したい形状が分かる図面、写真、スケッチ、CADデータなど
  2. 製品のおおよその縦・横・厚み
  3. 真鍮またはシルバー925などの希望素材
  4. 試作数と量産予定数
  5. 原型、ワックス、ゴム型など、支給できるものの有無
  6. 鋳造だけ、磨きまで、メッキや組み立てまでなど、希望する仕上げ範囲
  7. 希望納期

すべてが決まっていなくても問題ありません。現在用意できている原型や資料と、最終的に作りたい製品のイメージを確認し、必要な工程を整理します。

アクセサリーのロストワックス鋳造をご相談ください

ロストワックス鋳造は、原型の形を真鍮やシルバー925の製品へ展開し、試作から量産まで進められる製造方法です。

株式会社シーウェルでは、金属・樹脂・ワックス原型やCADデータからのご相談、お客様が用意した原型やワックスの持ち込み、鋳造だけのご依頼に対応しています。鋳造後の湯口取り、磨き、ロー付け、メッキ、組み立てまでまとめてご相談いただくことも可能です。

ロストワックス鋳造について相談してみませんか?

原型や資料の状態、製品の寸法、素材、数量、希望する仕上げ、納期など、現在分かる範囲でお知らせください。

お急ぎの場合は、お電話でもご相談いただけます。

03-3845-7571

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